記憶と時系列(次は漫画だよ!)


私は現在、精神科にて治療を受けています。
診断は、生育環境によるPTSDと、双極性障害
そしてDID(乖離性同一性障害)……つまり多重人格です。
精神科への入院歴は4回です。
しかし1ページ目に描いた2014年9月の首吊りのときには、意識のない状態で夫に発見された(臨死体験してました)にも関わらず 病院に受け入れ拒否され、緊急のときに入院できるワケではないのだと思い知りました。3日後に 「紹介状」 という究極召喚魔術手帳のようなものを手にしてようやく入院することができたのですが、今思えばあのまま自宅安静でよかったと思います(首周りの診察だけは受けたほうがいいでしょうけれど)。
精神病は長期戦。入院は一時しのぎ。 首を吊る前に、それを 「防ぐために入院する」 ことにこそ意味があるのです。起こったあとに入院してももう遅いのです……。

ちょっと愚痴ってしまいましたが、この漫画でメインに扱うことになるであろうDIDについても少し触れておきましょう。今私の体の中には、はっきり認識できる人格が7つ、あと個性の弱いものが多数、少なくとも12以上は存在しています。多重人格というと、よく皆さん誤解なさるのですが、普通の人が持っているような 「ひとかたまりの人格」 が沢山いるわけではなく、もともとの私(雅代)の人格が、耐え難い記憶や体験によって分割され、小さく分かれてしまっているだけのことなのです。ですので、どこかで読んだ表現を借りれば 「人格が複数あることが問題ではない、一番の問題は、ひとつの人格すら持てないということなのだ」 という状態です。

さて、以上の説明以外に、今回このページで書いておきたいのは
人格によって持っている記憶が違う」 ということです。
例えば、一番大きく穏やかな 「雅代グループ("雅代"という名前を名乗っている人格群)」 の人格たちは、統率権を持っていたり、他の人格たちの記憶を管理していたりします。
しかし、その中でも特に善良な 「ピュア雅代」さんは、なんと! 他の人格の記憶を全く持っていないのです。
(たぶん嫌なことを忘れたいのでしょうね)
悶え苦しんだり叫んだり夜中に徘徊したり、色々やばいことがテンコ盛りの毎日で、夫は疲弊しているわけですが、「ピュア雅代」 さんは、「いつも私たち仲良くて、穏やかで楽しい毎日だよね」 とか思ってるわけです。申し訳ない限りでございます。

そんなこんなで、私には日にちの感覚が全く無いのです。他の人格が私の体を使っている間の記憶が抜けたり、逆に記憶が戻ったりと、かなりトリッキーな毎日なもので、時系列がメチャクチャなのです。 というわけで、この漫画日記にも、時系列がありません。
それを日記と呼んでいいのだろうか?という疑問はひとまず置いといて、すみませんが ご理解の程、宜しくお願い申し上げます。


記・2014年(いつも2012年と書きそうになるよ!)9月14日


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